大学受験の話

 高校の同期と話して居ると、たまに「なんでその大学行ったの?」と聞かれることがある。

 確かに聞いてくるのも無理もない話だ。僕の周りは東大・京大・旧帝大早慶上智錚々たる面子が揃っている。そんな中で「首都大学東京(当時)」という聞いたこともないような大学に進学したのである。担任の先生にももちろん止められた(尤もこれは自分が5月時点で既にA判定を出していたということもあるかもしれないのだが)。

 ではなぜ僕がこの大学を志望し、進学することを決めたのか。

 一つは親が浪人を許してくれなかったこと。実は当初、僕は某旧帝大の法学部を志願しようとしていた。しかし、自分の実力不足もあって高校二年後半からの一年程度では受かることができないラインであった。高二・高三の僕を知っている方なら、僕が5月の河合センター模試の際に今の大学と横浜市立大・埼玉大・高崎経済大という文Aが第一志望とするにしては物足りない大学を志望校欄に記入していたことを覚えていらっしゃるかもしれない。これは親(主に母親)から「絶対浪人禁止宣言」が下達されていたことによる。

 なぜ許してもらえなかったかについては話が冗長になるので簡潔に述べると、「妹が東京の私大への進学を希望しているため」である。

 もう一つは僕自身が公務員を志望していたことである。ヘンテコな名前ではあったものの、東京都立の大学であることに変わりはない(今は名実ともに東京都立大学である)ため、東京都や特別区職員になるためのノウハウを教えてくれる講義がいくつかある。そして、進学先についてもかなり高い割合で公務員が選ばれており、入学する際の難易度に比べれば「お得な大学」とも言える。

 

 こんなことを偉そうに語っているが、実は僕が受けた2018年は二次試験の出題傾向が大幅に変わった年で国語・英語を受けた時点で意気消沈しており、試験前日に合格を決めていた青山学院大学の法学部に進学する気満々だった。

 結果として合格することができたが、もしあの時青学に進学することになっていたらどうなっていただろうか。もしかしたらピアスをバリバリにつけて髪をビビッドカラーに染めていたのかもしれない。