量産型就活生の話
大学3年の秋冬シーズンに突入してしまった。
夏のインターンシップと異なり、秋・冬のインターンシップは就職直結(内定直結)型のモノが多く、多くの就活生が参加する。
そのインターンシップのためのESを書く合間にYouTubeを眺めていたら、こんな動画を見つけた。
東京藝術大学大学院映像科に所属されていた、吉田まほさんによる作品である。詳しい内容についてはぜひ動画を見ていただきたいのだが、就活生が周りからどのように見えているのかを知ることができ、その「異常性」を再認識できるストーリーとなっている。
※ここから下はネタバレを含みます
この動画に出てくる主人公と自分との間にはどこか重なるものを感じる。
最初の場面で、これまでつるんできた友人たちが「就活生」へと変貌する姿に違和感を覚える様子が映し出されるが、自分もまさにこのような感じであった。東海高校の同期や大学の友人たちがTwitterやInstagramで就活についての話をし始めた時、なんとも言えない恐ろしさを覚えた。
「紫の顔をした就活生たち」、これがタイトルにもある量産型就活生である。説明会ではウンウン頷き、説明会が終われば人事担当者に媚を売りに行く。グループディスカッションでは誰よりも発言しようと試み、必死でアピールをする。黒のスーツを着せ、顔を少し変えただけのロボットに過ぎない。
僕はこんな人たちにはなりたくなかった。もしかしたらこれは僕の心にある変なプライドだったのかもしれないし、ただの「逆張り」だったのかもしれない。しかし今はどうだろう。數十社のインターンシップに参加しては人事にしっぽを振る量産型に成り下がってしまっている。そっちの方がバカにされたとしても長期的に見れば自分の利益になると知ったからだ。所詮僕は金と権力に屈する意気地無しなのだ。
リスクを負って起業もできなければ、会社から引く手数多というような大学に通っているわけでもない。そんな没個性な僕は今後の人生設計を盤石なものにするため、量産型就活生としてアピールする他にないのである。
そんなことしかできない自分に呆れながら、「私服可」の「オンラインインターンシップ」のために今日もまたリクルートスーツに袖を通す。