職業体験施設の話

 職業体験施設は知っているだろうか。キッザニアとかカンドゥーといった「子どもが大人のお仕事を体験する施設」のことである。
 職業も様々で警察・消防といった公共サービスからテレビ、銀行、航空会社とある。

 僕も小学生の頃甲子園のキッザニアに2回行ったことがあり、三井住友銀行のベリベリ財布を作ったりピザ屋やら鉄道会社やらテレビ局やら色々体験した思い出がある。
 まあよほど特殊な職業でもない限りアルバイトで出来るのでは……というのは置いておいて、こうした施設にはどうしても人気・不人気がある。
 例えば食品系やデザイン系などは人気が高い。また、なかなか出来ない体験としてテレビ局や鉄道会社、航空会社も人気が高いという。反対に、コールセンターやサービス系はあまり人気がない。実際、僕がいったときにも食品製造体験には整理券にかなり並んだ覚えがあるし、その合間に別の人気が薄いところに行った覚えがある。

 こうした人気・不人気を見てみると、実際の就活における人気・不人気と傾向が似ているのがわかる。就職倍率が高い企業筆頭に挙げられる「食品業界」「航空業界」はキッザニア内においても人気がかなり高い。また、「マスコミ業界」もその人気は実際の就活とも似通っている。逆に「コールセンター」はマイナビリクナビ、あるいはエージェントサービスで必ずと言っていいほどスカウトを投げてくるところであり、実際に就活においても最終手段という扱われ方をしている。

 そうして考えると案外小学生の頃の「憧れの職業」は大学生の「就きたい職業」とそこまで乖離していないようにも感じる(もちろん内容に多少の差はある)。実際僕もキッザニアで金融に興味を持った節があるのであながちこの説は間違っていないのかもしれない。

 ちなみにキッザニアやカンドゥーにはリクルートやパーソルが出資する「おしごと紹介」という、どのパビリオンに行けばわからない子どもたちに職業を紹介するパビリオンが存在する。就活でいうところのリクナビとかエージェントみたいなものだ。
 説明を見ている限りは緩い感じの紹介のようだが、もし今後「人気の施設にはこのパビリオンでエントリーが必要」なんてことになったらより現実世界を再現できるかもしれない。