コーヒーと腹痛、そして吐く。

 朝、目覚めるためにコーヒーを飲むという人は多い。手っ取り早くカフェインが取れて、尚且つ美味しい(らしい)。

 僕の友人も大抵僕の家に泊まりにきた時に朝コーヒーか紅茶どちらがいいか聞くとほとんど「コーヒー」と答える。

 

 僕も別にコーヒーが嫌いなわけではないのだが、あまりいい思い出がない。

 その最たるものが行政学の試験日のある事件である。

 その日は朝早くに起きて、試験勉強をしようと考えていた。勉強している最中に寝てしまっては元も子もないので普段あまり飲むことがないコーヒーを淹れ、ミルクと一緒に飲んだ。この時はまだよかった。

 試験時間の2時間前、急にお腹が痛くなり始めた。しかもストレスとかそういうものではない。食あたり系の吐き気を催すやつである。よりによって必修科目の試験前にこうなるなんてついていない。意識が朦朧とする中で自分の朝食を振り返る。

 (おそらくトーストではない、チーズでもないだろう……もしそれであたるなら昨日あたっているはずだ。━━コーヒーだ。)

 普段飲まないコーヒーが僕の胃の中で反逆を起こしたのである。おとなしくいつも通り紅茶を飲んでおけばよかったものを。

 急いで百草丸を飲んではみたものの、時すでに遅し。トイレに駆け込み、数年ぶりの嘔吐。大学生にもなって「私はコーヒーで吐きました」とはなんとも見窄らしいものである。

 

 そんなこんなで僕はコーヒーが嫌いである。実は他にもコーヒーエピソードはあるのだが、大抵汚い話になるのでこれ以上はやめておこう。