新幹線の話

 本当は帰省をするつもりはなかったのだが、どうしても帰ってこいということだったので感染対策をバッチリした上で一人きりでクリスマス・エクスプレスに乗車している。

 僕は帰省する時、大抵新幹線ではなく実家の車で迎えに来てもらう(感染予防というのもある)のであまり乗ることはない。なので新横浜ー名古屋間の新幹線に乗るのは久しぶりかもしれない。

 新幹線の車内もコロナ以前とはだいぶ変わったものだ。まず、席を向かい合わせにして喋っているような家族連れがいない。新幹線というと大抵はしゃいでいる子供の声が聞こえたり、お酒を飲んで上機嫌になっている親御さんの声が聞こえたりするのが定番だったから(普段長期休みの時くらいにしか帰らないというのもあるが)、この静かな新幹線には驚きを感じた。

 静かな新幹線といえば、売り子の人も何も喋らずに車内を巡回するようになった。コロナ禍の4月上旬に一回乗車したことがあったのだが、その時はおそらくコーヒーやらアイスやらの宣伝をしながら回っていたはずである。吉本新喜劇のあのネタもいつかは変わるのだろうか。