番組放映を終えて

 今日、NHK教育の番組『沼にハマってきいてみた』が放送された。

 僕の出番も想定していたより多く、番組制作の方々に深く御礼申し上げたい。

 

 今回はどのような流れで収録が進んでいったかについてちょっと書いてみようと思う。

 僕の方に連絡が来たのは9月上旬。TwitterのDMでNHKの番組制作会社から「今度このような企画をするから、ぜひ出演してほしい」という依頼が届いた。正直最初は新手の詐欺かと思ったが、どうもそうではないらしい。

 電話での軽いインタビューを受けたのちに出演者の選考があり、最終候補として僕が残った旨の連絡を受け、某レストランで長めの番組説明と課題(番組で取り上げる内容について調査してほしいというもの)を出された。

 

 10月に入ってから「番組に出演してほしい」との連絡が届き、制作側と台本を練り合わせながら時勢に即した番組内容を作成していった。やはり、NHK側としては日本の皇室などについては様々な議論が存在することから扱うのは避けたかったようで(僕としても皇室は然程詳しくないので利害が一致した)基本的に海外の王室を中心に扱うこととなった。

 そして、10月中旬に収録する旨が伝えられ、最終決定した台本が送られて来て家で練習するよう伝えられた。

 

 そして収録日。NHKスタジオに到着したのちディレクターの方と最終打ち合わせ。流れを確認したのちにリハを行った。ありがたいことに大きなカンペも用意していただきかなりスムーズにリハを行うことができた。本番前にはメイクとヘアセットを行なっていただき、つかの間の芸能人気分を味わうことができた。正直めちゃくちゃ気分が良かった。

 本番。「ゲストさん入られまーす」という言葉とともにスタジオ入り。サバンナの高橋さんなど大物芸能人を前にして王室についての説明を行なった。一応収録時にはあの三人の他にスウェーデンエステル王女、そしてブルネイ=ダルサラーム国のハサナル=ボルキア国王についての説明も行なったのだが、時間の都合上カットと相成った。

 

 収録終了後には高橋さんから話しかけていただき、とても嬉しかった。また、番組チーフプロデューサーの方からも(おそらくお世辞ではあるが)「NHKの解説委員やってみない?」とお声かけいただき大変な光栄であった。

 

 最後になりますが、忙しい中番組をご覧いただいた皆さん、本当にありがとうございました。

 

文系大学生の苦悩

 「文系はいいよね、楽だからさ。」

 

 何度この言葉を浴びせられてきたことだろう。バイトの面接官に友人たち、そして親や妹。どうやら世間一般に「文系大学生は暇である」というある種の固定観念があるようである。

 実際、理系の大学生に比べれば楽ではあるかもしれない。実験があるわけでもなければ、人体の各器官について隈無く覚える必要もない。だが、「楽」でもなければ「暇」でもない。もし暇な文系大学生がいるのだとしたら、少なくとも僕の通っている大学の学生ではないと思う。

 おそらく、文系は暇であるとして文系大学生を敵視する人の想像するキャンパスライフはこれであろう。

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青山学院大学の学園祭において配布された「青学生の7Days」より抜粋

 この画像は2015年頃に話題となり、「文系大学生イコール暇で楽」という印象を決定づけた。が、実際にこんな生活を送っている人はわずかである(MARCH文系には週3コマ空きコマなんて人もいるが、これは例外である)。

 「じゃあ偉そうに語るお前はどんな生活送っているんだ?」とお思いになるかもしれないので、一応述べておくと、僕の時間割の中でいわゆる「全休」というものは1日しかない。しかもその全休はインターンシップやゼミで課される毎週のレポートのために空けているものである。1限こそないものの、2限からの出席が基本であり、ほとんどの講義で課題が出される。

 さらにそこに就活用のES作成や公務員試験の勉強、家事が加わるので思っているほど暇ではない。

 

 とはいえ、頑張っていても世間から見れば「文系大学生」に過ぎない。なんとか合間を縫ってゲームをしていても「暇すぎて遊んでいる」ようにしか見えないのである。

 悲しい哉、それが宿命である。

VTuberの問題を通して考える法律・条文

 先日来、とあるVTuber事務所のライバー同士が揉め、片方が引退する(以降残留側のライバーをA、引退側をBとする)というなかなかハードな問題が続いている。

 このことについてはどちらが良い・悪いとも言えないので、どちらかの肩を持つということはしないが、二人の行為や行動を法律という面を通して考えてみようと思う。

 

「匂わせ」行為と侮辱罪

 双方ともにTwitterあるいは動画を通して、「匂わせ」という行為を行なっている。

 この「匂わせ」という行為について分からない方に軽く説明すると、当該人物の名を伏せた上で自分がされたことなどを記し、他の行動で(今回であればTwitterのフォロー解除や相手の衣装に似たイラストを描くなど)それとなく仄めかすことを指す。

 このような場合、刑法231条に定めるところの「侮辱罪」が問題となってくる。

 侮辱罪の要件は、公然と他人を侮辱することであり、ここでいう公然とは「不特定または多数の者が認識し得る状態のことを指す。おそらく、Twitterでの投稿やYouTubeでの動画投稿はその状態に容易に成し得るものであり、この要件については満たしていることに異論はない。

 問題は、「匂わせ」という行為が「侮辱」にあたるかという点である。侮辱にあたる例としては「〇〇はバカで仕方がない」というようなものがある。だが、今回の「匂わせ」については前述のように、当該人物の名前を伏せた形で行われ、誰を示しているかはわかる人にはわかるというものである。そのため、この場合は侮辱には当てはまらない可能性がある。

 

「情報漏洩」と不法行為

 Bの引退の理由について、事務所側は、「Bが第三者との間で交渉経緯などを漏洩した」ことが一つの理由であるとしている。

 このような場合に問題となってくるのが民法709条の「不法行為」である。(一応機密漏洩罪という刑罰もあるのだが、一般人とは関係ないものなのでここでは無視する。)

不法行為の要件は主に四つ、①加害者の故意又は過失権利または法律上保護される利益の侵害損害の発生侵害行為と損害発生との因果関係である。

 まずは①について見ていこう。B側は第三者に対して故意に交渉についての情報などを渡したことは(現時点では)明らかであるため、この要件は満たしていると言える。

 次に②について見ていこう。Aとしてはこの漏洩行為により、「AとBとの個人的なやりとり」などが第三者に流れてしまったため、権利の一つとしてAのプライバシー権を侵害されたこととなる。そのため、要件を満たしている。

 そして③についてであるが、これについてはAのツイートへのリプライ欄を見ればわかる通り、それこそ侮辱罪が適用されるようなツイートが送付され、おそらくAは精神的苦痛を受けている。これについてはAの個人的な問題となるためなんとも言えないが、釈明の文面等を見る限りは通常の精神状態ではないと思われるため、要件を満たしていると言えるだろう。

 最後に⓸についてだが、これは明らかに因果関係があるため、要件を満たしている。

 以上より、不法行為は成立し得るため、仮に提訴された場合には、Bは漏洩の違法性がないことを証明しないといけない。

 

スクリーンショット」と私文書偽造

 様々なリプライ・コメント等を受けたAは、Bとのやりとりをスクリーンショットで後悔することとなったのだが、その画像の一枚目に「編集済」というものがあり、また、事務所側が示しているやりとりの内容と齟齬が生じている部分(やりとりの回数)があった。

 仮に、AがBとのやりとりについて意図的に削除や編集などで手を加えていた場合に問題となってくるのが、刑法159条に定めのある「私文書偽造等に関する罪」である。

 これは、条文内で言うところの「事実証明に関する文書」について行使の目的で偽造した場合に罪に問われるというものである。

 このスクリーンショットが「文書」と言えるかどうかは疑問ではあるものの、仮にこれが唯一のやりとり(書面ではなく)であったならば、そのやりとりについての事実を証明する文書と捉えられてもおかしくはないかもしれない。

 ただ、編集等についてはもしかしたら単なる誤字によるものかもしれないので、此れを以て「私文書偽造」であると決めつけることはできない。B側からのスクリーンショット等の提出を待つのみである。

 

 以上である。

 正直、このようなギスギスは見たくはなかったが、起きてしまったからには原因の究明と双方へのケア、そして適切な措置が必要であると考える。

 

 

 

秋風に吹かれて

 今日、久しぶりに立川へ出向いた。

 部屋からあまり出ないうちに日中もすっかり秋の様相を呈している。

 最近は企業のインターンやレポートの作成などストレスになるような事続きで正直精神的にまいっていた。そんな鬱屈した気分を変えるために友人とIKEAに向かったのだ。

 

 友人とショッピングに行くのは楽しい。「何か買いたいなら一人で行ったほうがいいんじゃない?」とたまに言われる事があるが、一人で何かを買いに行くよりも誰か他の人と行ったほうが(友人に限らず)普段なら自分が目を付けないような物に触れる事ができるため数倍楽しく感じるのである。

 

 今日もそんなこんなで友人と家具やら雑貨やらを見たあと、分かれて帰路についた。

 新型コロナウイルスの感染が拡大していなければ、もしかしたら大学の帰りにこういう事ができたのかもしれないと考えると少し寂しいものである。

コーヒーと腹痛、そして吐く。

 朝、目覚めるためにコーヒーを飲むという人は多い。手っ取り早くカフェインが取れて、尚且つ美味しい(らしい)。

 僕の友人も大抵僕の家に泊まりにきた時に朝コーヒーか紅茶どちらがいいか聞くとほとんど「コーヒー」と答える。

 

 僕も別にコーヒーが嫌いなわけではないのだが、あまりいい思い出がない。

 その最たるものが行政学の試験日のある事件である。

 その日は朝早くに起きて、試験勉強をしようと考えていた。勉強している最中に寝てしまっては元も子もないので普段あまり飲むことがないコーヒーを淹れ、ミルクと一緒に飲んだ。この時はまだよかった。

 試験時間の2時間前、急にお腹が痛くなり始めた。しかもストレスとかそういうものではない。食あたり系の吐き気を催すやつである。よりによって必修科目の試験前にこうなるなんてついていない。意識が朦朧とする中で自分の朝食を振り返る。

 (おそらくトーストではない、チーズでもないだろう……もしそれであたるなら昨日あたっているはずだ。━━コーヒーだ。)

 普段飲まないコーヒーが僕の胃の中で反逆を起こしたのである。おとなしくいつも通り紅茶を飲んでおけばよかったものを。

 急いで百草丸を飲んではみたものの、時すでに遅し。トイレに駆け込み、数年ぶりの嘔吐。大学生にもなって「私はコーヒーで吐きました」とはなんとも見窄らしいものである。

 

 そんなこんなで僕はコーヒーが嫌いである。実は他にもコーヒーエピソードはあるのだが、大抵汚い話になるのでこれ以上はやめておこう。

アゼルバイジャンの話

 最近よくニュースで耳にするアゼルバイジャンという国。

 ニュースにはなるけれども、そもそもどんな国なのかは知らないという方も多いだろう。

 

 この国はカスピ海付近のコーカサス地方にある国で、地球儀で見た時の位置としてはトルコの右側、イランの真上となる。人口は約987万人(神奈川県より多い)、面積は約8万6千平方キロメートル(北海道とほぼ同面積)という国である。元々はソビエト社会主義共和国連邦の一員であり、1991年に独立。大統領は直接選挙により選出されるが、現時点ではアリエフ家による世襲体制が続いているというなかなか珍しい国である。

 同国の経済は豊富な埋蔵量を誇るバクー油田無くしては語れない。もしかしたらご存知かもしれないが、かのヒトラーもこの油田に狙いを定め(というよりかは大元のソ連のエネルギー供給源を断つために)「ブラウ作戦」を発動したということでも知られている。そんな油田があるために国自体は儲かっている(国民はどうやらその恩恵は受けられてないらしい)。

 

 日本との関わり合いで言えば、2025年に開催される大阪万博、その選出過程での対立候補アゼルバイジャンの首都、バクーであった。また、2005年に開催された愛・地球博においてはジョージア(当時はグルジア)やアルメニアとともに「コーカサス共同館」として出展し、同国の主産品でもあるバラのソフトクリームを販売していた。もしかしたら食べたことがある方もいらっしゃるかもしれない。

www.expo2005.or.jp

 

 ではなぜアゼルバイジャンアルメニアが今争っているのか。

 これは報道されている通り、「ナゴルノ=カラバフ自治州」の帰属争いである。

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ナゴルノ=カラバフの位置

 もともとこの土地はアゼルバイジャンの一部であると各国が認識してはいるものの、民族構成がアルメニア人が大多数を占めていることから、アルメニア側は以前から自国の領土であると主張しており、その対立はロシア帝国の瓦解時にまで遡る。要するに、今いきなり始まったことではなく、前々から燻っていた火種が爆発したという捉え方の方が正しい。

 この対立が厄介なのがトルコの存在である。アゼルバイジャンの民族構成の大多数を占めるアゼリー人はトルコ系の民族であり、公用語であるアゼリー語(アゼルバイジャン語)もまたトルコ語にかなり近いため、双方がお互いのことを「兄弟国」として認識している。

 今回もトルコはアゼルバイジャンへの支持を表明し、より混乱を増大させてしまっている。

 

 この戦いは軍備の面からも資金の面からも優位なアゼルバイジャンに軍配が上がると僕は考えているが、今後のロシアの動向次第ではわからない。今後も注視していきたいと思う。

興味のないことについての話

 他人と話していると、往々にして自分のあまり興味のないことについて熱烈に語られることがある。

 例えば自分の好きな音楽のジャンルと全く異なるジャンルについてだったり、あるいは自分の全く把握していないアニメやライトノベルについてだったり……様々である。

 そうした時、僕はどういう対応をすれば良いのかわからない。「うんうん」と相槌を打っているだけだと適当に受け流していると取られかねないし、知ったかぶりをしていては「こいつ知らないくせに」とむしろ反発を招いてしまう。かといってそれについて知らんぷりをしていたらおそらく関係はズタズタになるだろう。

 一応今は合コンで使う「さ・し・す・せ・そ」(さすが・知らなかった・すごい・センスがいい・そうなんだ)を使うようにしているが、いつかそれもボロが出るだろう。

 

 何かいい方法はないものだろうか。